〜自由なあなたの残り香だけ


いつでもあなたはすり抜けていくんだね。

僕の伸ばしたこの腕の隙間から、

するりと音もなく消えていくんだ。

はっとして気づいたときにはもうあなたはいないんだ。

僕の伸ばしたこの腕の先が掴むのは、

虚しく漂うあたりまえの空気と、

自由なあなたの残り香だけ。